日記なんかつけてみたりして

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2018-01-01から1年間の記事一覧

+8(スペイン篇2)

ホテルの朝食ビュッフェが好きだ。特に、その土地の特色が現れていて、種類が豊富であれば申し分ない。例えば、鹿児島のホテルでは鶏飯を食べ、台北のホテルでは点心を食べたことがあったが、朝からその地域の文化にどっぷり浸かることができる食事は旅行に…

サグラダ・ファミリア(スペイン篇1)

つくづく不思議な建物だと思う。1882年に着工し、未だなお建設中のサグラダ・ファミリア聖堂、それは「永遠に完成しないもの」の象徴のように扱われ、もしかしたら身近にある工期の長い建物がサグラダ・ファミリアに喩えられる場面に遭遇したことがあるかも…

くるりとのこと

それは、河合神社の片隅にひっそりと建っていた。「広さはわづかに方丈、高さは七尺がうち也。」と『方丈記』に記されている通り、わずか四畳半ほどで高さは約2m、茅葺き屋根の質素な小屋である。 京都で様々な災害を経験した『方丈記』の著者、鴨長明は、世…

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。 決して雪が降ることのない香港への旅行の記事をこのように書き始めるのが正しいか分からないが、私は香港へと向かう旅客機の中で川端康成『雪国』を読んでいた。 過去、タイのバンコクへ向かう機内では、そこが…

ミュンヘンは輝いていた(ドイツ篇1)

――ミュンヘンは輝いていた。この首都の晴れがましい広場や白い柱堂、昔ごのみの記念碑やバロック風の寺院、ほとばしる噴水や宮殿や遊園などの上には、青絹の空が照り渡りながらひろがっているし、そのひろやかな、明るい、緑で囲まれた、よく整った遠景は、…

帰省のはなし

旅客機は島の海岸線沿いを飛行していた。窓の外を見ると、けたたましい音で回転するプロペラの向こうに、海岸線に打ち寄せる波、区画整理された田畑が見える。徐々に高度を下げる旅客機、このまま田畑に突っ込むのではないかというところで突如アスファルト…